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2022.03.14 | スタッフブログ

「モノ」と「時間」

省エネ政策による「簡略的な評価」として、家の様々な性能が表示されるようになりました。
「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」(一般財団法人建築環境・省エネルギー機構)が公開され、エネルギー消費性能・外皮性能の評価による数値が省エネ補助金の申請対象として扱われるようになっています。

先に「簡略的な評価」と書いたのは、庇の位置・形状や建物の配置角度による日射取得量の入力定義による冷暖房負荷の違い・建物周辺の標高や最新の気象データの参照・熱橋付近の様々なバリエーションによる定義など、『外皮』に影響を与える戸別の詳細な部位や周辺・自然環境等による影響はまだまだ十分に反映されていません。

現時点で研究・議論の余地のある項目もあり、対応しきれていないモデルイメージなどを含め『戸別毎算定』の概念となるのはまだ先になると思われます。(※)
(※プログラムは約6か月毎に様々な内容が考慮されてバージョンアップをしています。)

要素をひとつひとつ計算するためには、非常に高価で入力も実務者には到底できないほど難しいものしかありませんから、本来の政策目的である「段階的に高性能な省エネ住宅を増やす」ために簡略化されている経緯があります。

    参照先:一般財団法人建築環境・省エネルギー機構

現在幾多の戸建て住宅の広告には、断熱性能や気密性能の数値を誇示して手軽な製品のように販売(コストパフォーマンスが良いアピール)をする時代のトレンドがあります。そして日本の住環境は”気候風土や文化を優先する”といった歴史があります。

ですが上記の評価が正式に出てくると、なにげにこの数値が消費者にとって『最高に心地よい住まいの基準』に置き換えられてしまう懸念もあります。

「エネルギー消費性能・外皮性能」評価は大切ですが、”求める住み心地”との差を認識していなければ住む人が求める快適性や耐久性を十分に生かせなくなるおそれもあります。

「コスパ最強の性能評価」=「住み心地最高」になるとは限りません。

「家づくり」は、6万点とも言われる家部品を、さまざまな工程を経て1棟の家として形成します。
家は車や商品と違って、あとから方位を変えたり動かしたりすることが非常に難しく、ほぼ現地で造るため費用や時間も掛かります。そして何よりも命と財産を守る使命が課せられています。
工場生産方式の「モノ」との大きな違いは、人が携わることによる「ハンドメイド」としての良さがあります。

そしてなによりも、

”お客様主役の住み心地をつくるプロセス”が優先される貴重な時間です。

住宅において「少しでもはやく」「少しでも安く」はそれはそれで確かに重要なことですが、「最高の住み心地を実現する」という最大の目標に対して、一見コストパフォーマンスが悪いように思いますが最終的には価値のあるものを手に入れた喜びがそこにあるはずです。

物持ちの良さは日本人の特権だったように思いますが、いつの間にか消費大国になってしまっている現状。けれど日本人だって使い捨てのプラスチックの容器よりも備前の器の方を大切に使うはずです。 なるべくならハンドメイドで、美しいもので、耐久性のあるもので。そんなセレクトをしていたらいつの間にか長く愛用できる品が揃うのではないでしょうか。
Fuji

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