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2020.01.28 | スタッフブログ

【寒い家は免疫力が低下する③】

星 丹二先生

首都大学東京名誉教授,放送大学客員教授。福島県立医科大学卒業後,東京大学で医学博士に。東京都衛生局、厚生省国立公衆衛生院に勤務。英国ロンドン大学大学院留学、厚生省大臣官房医系技官併任を経て現職。公衆衛生のエキスパートとして『健康長寿』に関する研究を続ける。

【体温は免疫力に直結する】

なぜ、人間の体温は36~37℃もあるのでしょうか。それは免疫力を高めておくためです。例えば、がん細胞は正常な細胞より熱に弱い性質を持っている(最も活性化するのは35℃)ので、低体温の人はがんになりやすいのです。逆に、体温の高い鳥類では、がん死はほとんど見られません。体温を上げるうえで大きな役割を持つのが、細胞内のエネルギー製造工場ともいわれるミトコンドリア、そして「第二の脳」として注目を集める腸内細菌です。腸内細菌は、免疫システムを活性化させるなど、さまざまな機能を持っていますが、活動することで水素生み出します。この水素が燃焼するので、体温が上昇します。腸内細菌が活発に活動するほど水素が多く発生して、体温も上昇するので免疫力が高まります。例えば糖尿病も、腸内細菌の働きによって症状が改善する疾病です。腸は、筋肉や脳に次いで糖を多く消費するところ。腸内細菌が糖を食べるからで、その働きが活発なほど血糖値が下がります。ただし、体温が低いと、細菌の働きは鈍くなってしまいます。大腸には約数千種類の菌がいると言われますが、現時点ではせいぜい1000種類が判明しているにすぎず、ほとんど未知の世界です。しかし、腸内細菌に、病原菌の感染から体を守る働きがあることは疑いようがありません。そのシステムがきちんと働くには、防御できる菌を種類、量ともに増やし、一定以上のレベルを維持しておくことが肝要なのです。世の中には、数多くのヘルスケア用品が出回っています。しかし、科学的な根拠が不確かなものに頼るより、体温を上げ体を冷やさないようにすることのほうが、健康にとって遥に大切なことです。

【寒い家で亡くなる人は交通事故の4倍】

寒さは健康の大敵です。前述したように体が冷えて体温が下がると、免疫力が低下します。体を冷やさないようにするには、暖かい家に住むこと、つまり住環境が大きな役割を果たすのです。冬、暖かい部屋から寒い風呂場に行き、服を脱ぐと、血管が収縮して血圧が上昇します。それから入浴すると体が温まり、血管は拡張して低血圧になり、短時間のうちに血圧が乱高下します。結果としてショック状態に陥り、最悪の場合、死に至ります。

これまで、この現象は「ヒートショック」という言葉で表されてきましたが、最近の研究では、実は大部分が「冬の熱中症」である可能性が高いことが明らかになりつつあります。血管が拡張して水分の出入りが不十分になったため、熱中症と同様の症状になって意識が低下し、溺死している人が少なくないのです。

いまだに年間約1万9000人もの人が、風呂やトイレにおける急激な温度変化が原因で亡くなられています。交通事故で亡くなる方(年間4000人ほど)の4倍以上です。食生活や運動も大事ですが、温度差の大きな住宅が体に大きなダメージを与え、生死にもかかわることにもっと目を向ける必要があるでしょう。

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