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2019.11.26 | スタッフブログ

お家に潜む、見えないカビと健康のお話

千葉大学 真菌医学研究センター 准教授 矢口 貴志 先生
「お家に潜む、見えないカビと健康のお話」

矢口先生は、生活環境のカビ、特に病原性のカビを専門にご研究されています。

■自然界におけるカビの生息場所

カビは通常、土の中に生息し、有機物の分解という
自然界における物質循環の重要な役割を果たしています。
特に、木材のリグニン、動物の毛、骨など難分解性のものを分解します。

家庭内には、外から風に乗ったもしくは靴などに付着した土埃とともに持ち込まれます。
それがある場所に落下、定着し、そこで温度、湿度、栄養源の条件が揃えば発芽し、
菌糸(植物の根のようなもの)を伸ばし、さらに胞子を多数作ります。
カビは温度20~30℃、湿度60%以上で発生しやすくなり、
75~90%で最も増殖しやすくなります。
カビは、埃、汚れなどあらゆるもの(有機物)を栄養源にします。

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■空気中に漂っているカビ胞子の数

カビの胞子は非常に小さく(2~5μm)、かなりの数(100万個以上)がまとまらないと
私たちは目で確認することができません。
一般の家庭の空気中には、1 m3 (1 m x 1 m x 1 m) あたり100から1,000 個のカビの胞子が浮遊しています。
食品工場などではそれを100個以下にするなど制御しています。

■カビの種類(黒カビ、緑カビ、赤・・・)

一般家庭でよく見かけるカビは、クラドスポリウム(クロカビの一種)とペニシリウム(アオカビ)で、
エアコンのフィルター、クローゼット、押し入れ、家具の裏などの埃の中によく見られます。
この2つのカビは冷温でもゆっくりですが生育することができますので、
冷蔵庫の野菜室の土埃などのも生息し、
冷蔵庫のパッキンなどが黒くなるのはクラドスポリウムが原因で、
みかん、リンゴなどの果物にペニシリウムが生えることがあります。

 クラドスポリウム
クラドスポリウム 生活環境中に多い、アレルギーの原因

ペニシリウム 生活環境中に多い アレルギーの原因、カビ毒産生することもある

そのほか埃の中からは、黒色と青緑色のアスペルギルス(コウジカビ)がよく検出されます。
埃の他よくカビを見かけるのは台所、浴室など水廻りで、
クラドスポリウム、オーレオバシディウム、エクソフィアラ(ともに黒色の湿性のカビ)、
ロドトルラ(ピンク色の湿性)などが見られます。

 アスペルギルス
アスペルギルス 免疫の落ちた患者の肺に感染することもある、病原性が強い

オーレオバシディウム

オーレオバシディウム 水回りに多い

エキソフィアラ

エキソフィアラ 風呂の排水溝、皮膚の傷口から感染の可能性

ロドトルラ

ロドトルラ 水回りの汚れの原因

季節により発生するカビの種類が変わるわけではありません(俗にいう“秋カビ”などはありません)。
気温、湿度によりカビの数が増減します。
そのため、とくに梅雨時と、梅雨と気温、湿度がよく似ている9月の長雨の時期は、カビが多く発生します。
しかし、現在の私たちの生活では冬になるとエアコン、加湿器などで加温、加湿しますので、
以前ほどカビの数は減りません。
さらに、室内と外気との気温差から窓際などに結露します。
サッシのパッキンなどが黒くなるのは、主にクラドスポリウムが原因で、冬季に多くみられます。

(つづく)

カビは奥が深い

AOKI

 

 

 

 

 

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