インテリアの素材で変わる、家の中の「音」と「響き」 | 株式会社 青木建設|徳島の注文住宅からリノベーションまで

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2022.02.14 | スタッフブログ

インテリアの素材で変わる、家の中の「音」と「響き」

家の中を動き回りながら携帯電話で話をしていると、場所によって、自分の声の響き方が違って感じられることがあります。その理由は空間の形や大きさ、配置だけではありません。内装仕上げ材に用いる素材やカーテンなどのウィンドウトリートメント、置いてある家具の大きさや素材などによっても、耳に入る音やその響きは微妙に変化します。

表面が固く密な素材ほど音の「反射」や「回折(かいせつ)」が大きくなる傾向があります。
最近は吹き抜けのある家が多いですが、吹き抜け空間では2階にいても1階の音が、けっこう大きくはっきりと聞こえます。
これはビルの上層階にいるときに、道路を走る車の音が大きく聞こえるのと同じ。周囲の壁への「反射」や回り込んだ音が重なる「回折」が原因で、距離の割に音が大きく聞こえるのです。そのため1階リビングに吹き抜けがある家では、ひそひそ話ですら意外と2階に筒抜け、ということも…。
吹き抜けを通して階下から2階へ伝わるテレビや動画の音声、LDKと隣り合わせ・背中合わせに配した水まわりの流水音…。いずれも私たちの生活の音で、不快ではありませんが、少々気になることもあるでしょう。

間取りの都合上、避けられない位置関係にあるこれらの音は、内壁にロックウール等遮音材を入れることで解消するケースが多いです。 また、上階のトイレや排水経路からの流水音は「日中は気にならなかったのに、周囲が静かになる夜間になるとかなり気になる」ということがあります。こちらも消音材を巻くことで透過音を軽減できます。

もし、クローゼットや収納スペースにこれらのパイプスペースを配置できると、さらに音の影響を抑えることが可能です。衣類や諸々の収納品が吸音材の役割を担ってくれます。

内装仕上げ材は、表面が固く密な素材ほど音の反射が大きく、音が重なり合って聞こえやすくなります(この音の重なりを「残響」といいます)。お風呂場で歌うとエコーがかかって気持ちいいのは、残響時間が長いためです。

音が反射しやすい内装材は、コンクリートやガラス、タイル、時とともに硬化が進む漆喰などです。木も素材としては硬めです。音の聞こえ方を重視したい空間では、その目的や用途に合った素材を選び、残響を効果的に使うといいでしょう。
一方で残響を抑えたい場合は、床にカーペットを敷くのが効果的です。例えば、階段室は縦に長く吹き抜けていますが、カーペットを敷くと音の反射が抑えられ、木質系の階段材よりも反射音が小さくなります。
快適な睡眠のために静かさや落ち着きが求められる寝室にも、カーペットはおすすめ。寝室はベッドカバーやカーテンなど、インテリアファブリックのボリュームも大きいので、残響を抑えやすい空間になります。

多孔質で表面がやわらかい素材は音を「吸収」し「透過」しにくい性質があります。
音が反射や回折しやすい素材がある一方で、音を「吸収」しやすい内装材やインテリアの素材もあります。吸収されると音は小さく、響きも弱くなります。吸収しきれなかった音の一部は「透過」します。

例えば、和室を構成する「珪藻土壁」「畳」「襖」「障子」といった内装材は多孔質で表面がやわらかく、吸音性が高い素材です。土や草、紙はたくさんの空洞や繊維の重なりで構成されています。音がその中を通過する途中で熱エネルギーに変換され、透過音は小さくなります。和室がなんとなく落ち着くのは、音が吸収されることによる残響の少なさも影響しているかもしれません。

音の響きを設計や内装仕上げ材の工夫以外に、家具やラグなどインテリアエレメントを工夫することで多少コントロールすることができます。

Fuji

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