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2021.10.18 | スタッフブログ

一次エネルギーとは?

今日、電気をつくるエネルギー資源をどうやって確保し、電気の需要に応えていくかは、世界中の国々にとって重要な問題となっています。発電の方法には、火力(石炭、石油、天然ガス)、水力、原子力発電等がありますが、それぞれの国がどの発電方法を優先するかは、エネルギー資源の有無、自然条件、エネルギー政策などにより異なります。

一次エネルギーとは、自然界から得られた変換加工しないエネルギーのことです。種類はさまざまあり、石油や石炭、天然ガス、ウランのような採掘資源から太陽光、水力、風力といった再生可能エネルギー、さらには薪や木炭なども含まれます。
最近では環境意識の高まりから一次エネルギーをさらに枯渇性エネルギーと再生可能エネルギーに分けることも多くなりました。枯渇性エネルギーには石油、石炭のような化石燃料など、採り続けると無くなってしまう資源を指します。一方、再生可能エネルギーは太陽光や風力に代表される半永続的に利用できるエネルギーです。

私たちはこうしたエネルギーを使っており、利用する手段として発電所を通じて電気に変換するだけでなく、ガスやガソリンを燃やして動力にしたり、熱の形で利用したりとさまざまな形態があります。エネルギーの消費量を測るにあたっては、これらのエネルギー源を1つの基準に統一してエネルギー量に換算する必要があり、原油換算の重量(トン)で示されるのが一般的です。省庁の統計資料でも原油換算が用いられています。

それに対して二次エネルギーは、一次エネルギーから変換加工して得られたエネルギーのことをいいます。人間社会では、自然界に存在するエネルギー源をそっくりそのまま利用することは、ほぼ不可能です。そのため、発電、精製、乾留などといったさまざまな加工を行って、エネルギーを利用可能な形にする必要があります。

二次エネルギーとしてわかりやすいのは発電所で作られる電気ですが、原油から精製されて作られるガソリンや天然ガスから作られる都市ガスなどもこれにあたります。最近注目されているFCV(燃料電池車)の燃料として使われる水素は自然界にも存在しますが、燃料として使用されるものは原油などから取り出されているため二次エネルギーに含まれます。

「最終エネルギー消費」とは工場やオフィス、家庭などで実際に消費されるエネルギーのことです。省庁の統計ではエネルギー需要の大きさや省エネの効果などを測る際に使われます。

それに対して、発電所などエネルギーを作る側から供給されるエネルギーのことを一次エネルギー供給と呼びます。最終エネルギー消費(消費側)と一次エネルギー供給(供給側)は一致をすることはありません。供給地から消費地までの間に変換ロスや輸送ロスなどが発生するため、最終エネルギー消費のほうが必ず小さくなります。

例えば電気の場合は、発電所からオフィスや家庭に届くまでの間に、送電線で減衰する送電ロスや変電所での変換ロスがあります。また、基本的に電気はためられないエネルギーなので、予想消費量よりも多くの電力を常に供給しており、消費と供給の差のロスも発生します。ガソリンや灯油、ガスなどの場合も同様に輸送時のロスが発生します。

家庭やオフィスでは、二次エネルギーの形で供給されて使用することがほとんどなので、身近なエネルギーといえるでしょう。省エネを考える際にはこれらの使用量を減らしたり、使用料金を抑えたりすることを指標とすることが一般的ですが、限りある資源の保全や低エネルギー社会の実現ということまで考えると、一次エネルギーに変換してエネルギー消費を考える必要があります。その際には、一次エネルギーから二次エネルギーに変換する際にロスとなるエネルギーも考慮する必要があります。最近では、従来は変換ロスとされてきたエネルギーを有効に活用するコージェネレーション(コジェネ/熱電併給)が注目されています。発電の際に出る熱は電気に変換されないので、エネルギーロスにあたりますが、コジェネではこの熱を無駄なく利用して暖房や給湯に活用します。これは、発電所だけでなくオフィスビルや工場の省エネにも利用され、家庭用では「エネファーム」のブランドがよく知られています。

自国にエネルギー資源を持たない国は必然的に、エネルギー資源を海外からの輸入に頼ることになります。イタリア、フランス、日本などは、エネルギー資源をほとんど持っていないため、海外への輸入依存度が高く なっており、全エネルギーの9割以上を輸入に頼っています。一方、石油資源をもち、かつ豊富な水力資源をもつカナダは、エネルギー輸出国になっています。

エネルギーの種類を示す一次エネルギーと二次エネルギーは対になる概念で、消費量を表わす最終エネルギー消費は一次エネルギー供給と対になる概念です。よく似た言葉ですが、それぞれ指しているものが異なり、同じ時期の同じ地域であってもそれぞれの量に違いがあります。それぞれの概念をよく理解したうえで、それぞれの違いや量の差分を正しく知ることが大切です。また、これらの違いを通して、エネルギーロスの問題についても考えるきっかけになるかもしれません。

かつては石油がエネルギーの中心の時代がありましたが、現代は環境と資源の問題としてエネルギーが語られる時代になっています。そのため、石油中心からエネルギー源の多様化へと変化しており、エネルギーの無駄を無くすコジェネなども注目をされています。そのため、さまざまなエネルギーを一次エネルギーに換算して統一の基準で考えることが重要になっています。

用語の意味と違いを正しく理解することが第一歩となります。身近で使われるエネルギーから供給側や資源について考えるきっかけとなり、エネルギーをより深く理解することができるでしょう。

Fuji

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