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2022.06.20 | スタッフブログ

夏場の結露を防ぐ技術

「結露」は冬の住宅でよく見られる現象ですが、夏にも起こることをご存知でしょうか?
しかも夏の「結露」は気が付きにくいばかりか、建物にとって大きなダメージを与えるような場所で発生することが多いのです。

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私たちの周りにある空気は「湿り空気」で、水分だけでなく酸素、窒素、炭酸ガスなどと混合しています。空気中の「水分」は水滴(液体)として存在しているのではなく、水蒸気(水が蒸発して気体になったもの)として存在していますので、目には見えません。

湿度100%となると、「もうこれ以上空気中に水蒸気は含めません」(飽和空気)という状態です。この状態のなかで冷たいものに接触する部分の空気が冷やされることにより、空気中に含むことが出来る水蒸気は少なくなります。その結果、水が水蒸気のままではいられずに、接触面で水滴となります(例:夏場の蒸し熱い室内と冷たい水を入れたコップ表面の関係)。これが「結露」です。

住宅で発生する結露には大きく2種類あります。

・表面結露…とくに冬に多く見られる現象です。
室内の水蒸気を含んだ暖かい空気が冷やされると、窓ガラスなどの表面に水滴となって現れることがあります。この表面に現れる結露を表面結露といって、視覚的に確認できることが特徴です。

内部(壁体内)結露…冬でも起こりますが実は夏にも起こりやすい現象です。
室内の水蒸気を含んだ冷たい空気が壁などの内部に侵入すると、壁内部で水滴となって現れることがあります。この壁内に現れる結露を内部結露といって、視覚的に確認しにくいことが特徴です。
内部結露は、カビの発生や断熱性能の低下・構造材の腐食等建物にとって悪い影響しかありません。

夏は、室内を冷やし過ぎることで壁内に温度差が生じやすく、結露を防ぐための室内の温度管理をする必要があります。

環境省が主導して取り組む「クールビズ」で推奨する室内温度は28℃ですが、この程度の室温を維持しておけば壁内でも結露が起こりにくいといわれています。
(厳密には外気温との差や相対湿度、風速(換気風量)・気流(気圧差)などの影響もあり、一概に室温だけではないのですが。)

またエアコンからの冷風が直接壁面や開口部に当たるようだと、その部分の温度低下を招く恐れがあるため注意が必要です。エアコンの風向きや換気に配慮することも必要になるでしょう。

新築する場合に一般的になってきた結露対策のひとつとして、室内壁の石膏ボードの裏側は、湿気が壁内に入り込まないよう防湿シートを張って防湿層を確保することが推奨されています。

また外壁側には通気層を設け、さらに外壁の下地などへは、湿気を通しても水分は通さない透湿防水シートを張ることが標準的な方法になっています。これらは冬の結露には非常に効果を発揮することがわかっていますが、夏に起こる結露には効かない場合もあるようです。

夏は、温度勾配によって、湿気は室内側へ移動する傾向がありますが、通常の防湿気密シート(PEシート)が施工されている場合、断熱材とPEシート間の湿度は、極めて高くなる恐れがあります。とりわけ新築直後の構造体や基礎コンクリートから放出される湿気は多く、壁体内の湿度は高くなり、リスクは更に高まります。
また、通気層工法を伴わない壁体や屋根断熱構造の場合は、特に初期含水を放散できず、通常の防湿気密シートにより、湿気を壁体内に封じ込めてしまう可能性があります。

参考文献:本間義規:通気阻内の放射伝熱および通気風量を考慮した断熱璧体の熱水分同時移動解析.日本建築学会大会学術講演梗慨集, 301-302, 2012年9月

以上の理由から通常の防湿気密シートの特性だけではなく、新たな機能を有するシート「可変透湿気密シート」が使われ始めています。
「可変透湿気密シート」は、しっかりと気密(空気を通さない)を確保しながら、冬は通常の防湿気密シートのように湿気を通さず、夏は壁体内が高温多湿になりカビや結露が発生しそうになると湿気を通し、通年を通して壁体内を良好に保つよう機能します。近年では防湿シートに変わる材料として採用する例も多数あります。湿度を上手にコントロールすることで、省エネ効果にも期待できる優秀な材料といえるでしょう。
Fuji

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