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2021.12.27 | スタッフブログ

最近の『テラゾー』って?

今年もあと残すところわずかとなりましたが、年末の大掃除はもう済みましたか。
こちらは例年通りこれからです。
建築の仕上材「テラゾー」とは、簡単に言えば大理石などを粉砕し、セメントや顔料と混ぜ固めた美しい柄が特徴の人造大理石の事を言います。
独特な柄が人気で、近年のインテリアトレンドとして再注目を集めているテラゾーです。近代以降、大型建築や公共建築など様々な建物で盛んにテラゾー仕上げが使われました。今も残る近代建築や地下鉄駅のコンコースなどで、自然石を散りばめた表情豊かなテラゾー床を見ることができます。


従来のテラゾーは、手間や時間のかかることが弱点でした。骨材の選定・調達、材料の調合などの作業を、現場ごとにこなしていかなければならず、次第に避けられるようになりました。一時は幅広く使われたテラゾー床も、高度経済成長期(1960年代)以降、新たに台頭してきたタイルや輸入石材などの各種床材に取って代わられ、やがてほとんど使われなくなりました。
施工の合理性や経済性の追求が進むなか、テラゾー床をつくるのに欠かせない「骨材調達」や「材料調合」、「仕上げ厚」、「施工時間」、「コスト」などが、他の仕上げ材に対して不利な状況になっていったのです。

“現代版テラゾー床”は、従来のテラゾーと同じように、骨材の粒度によって2つのタイプに分けられます。粒度が高い「現場テラゾー」と、粒度が低い「人造石研ぎ出し仕上げ」の2タイプです。これら2タイプは、通常、略して「現テラ(げんてら)」や「人研ぎ(じんとぎ)」と呼ばれています。
この復活した仕上の背景には、テラゾー自体の進化があります。技術の発展に伴って、従来型のテラゾーの弱み(施工時間、変色・変性など)を抑えた“現代版”のテラゾーも開発されています。その1つに挙げられるのが「プレミックス」のテラゾーです。文字通り、あらかじめ材料を調合して製品化したものです。専門的な技能を持たなくても、規定の配合比で材料を混ぜるだけで、従来と同じようなテラゾー仕上げを、安定した品質でつくれるメリットがあります。

少し意外なところでは、セラミックタイルの分野でもリアルなテラゾーデザインが登場しました。これまでのテラゾー柄セラミックタイルは、「プリントタイプ」しか存在せず、左官仕上げのようなリアルな質感をタイルで実現するのは困難だとされてきました。表面だけでなく、セラミックタイル全体、つまり小口にもテラゾーの柄が現れる凝った製品も出ています。このように、現在では従来型の「現場テラゾー」や「人造石研ぎ出し仕上げ」に加えて、プレミックス製品のテラゾー、そしてテラゾーデザインのセラミックタイルもあり、テラゾーを取り入れたデザインの幅が大きく広がっています。

「いいものをつくって、長く使う」
建築物の長寿命化循環型・低炭素社会の実現に向けて、「スクラップ&ビルド」というフロー型社会から、省資源なストック型社会への移行が求められており、建築物の長寿命化に対して高い関心が寄せられています。この「テラゾー」などのように、失われかけた仕上げや技術はカーボンニュートラルが訴求される中、今後新たな復活を果たそうとしています。

末筆ながらご家族様おそろいで、穏やかな新年を迎えられますようお祈り申し上げます。
Fuji

 

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