電気自動車・太陽光発電は環境にやさしい? | 株式会社 青木建設|徳島の注文住宅からリノベーションまで

株式会社 青木建設|徳島の注文住宅からリノベーションまで > スタッフブログ > 電気自動車・太陽光発電は環境にやさしい?

2022.04.18 | スタッフブログ

電気自動車・太陽光発電は環境にやさしい?

EV は現在、世界中で大変な勢いで普及しています。民間のコンサルティング会社の報告書によると、2025 年には世界新車販売台数の約30%、2030 年にはガソリン車とディーゼル車の合計を超える51%になるとされ、日本においても2030年には55%となるとの推計が報告されています。これにより、CO2 の削減が期待されています。こうした気候変動への効果が期待されているEV ですが、SDGs の視点でみてみると課題もあります。

EVの要であるバッテリーには、リチウム、ニッケル、コバルトといったレアメタル(希少鉱物)や銅が入っています。レアメタル採掘には、危険が伴い、適切な処理が行われなければ環境汚染も引き起こします。また、多額の資金が先進国から流れ込むため、地域紛争の原因になったり、テロの資金源として使用され治安を悪化させる原因にもなったりしています。

EVが普及すれば、使用されているバッテリーごみが問題になります。国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、2019 年に使用されていたすべてのEV からは、最終的に50 万㌧のバッテリーごみが発生するとされています。このうち18 万㌧はリサイクルが可能ですが、リサイクルにおける環境負荷はまだまだ大きく、技術的・経済的側面で実用的ではないということです。

大量のバッテリーごみは、埋め立て処分場の不足を招くだけでなく、有害物質による環境汚染を引き起こしています。また、原材料のレアメタルの埋蔵量・生産量が限定されていること、前述した紛争鉱物の問題があることから安定的供給の課題があるなかで、廃棄するのではなく環境負荷の少ないリユース、リサイクルが必要になってきます。

太陽光発電も重要な気候変動対策のひとつです。2012 年に「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」が導入されたこと(FIT制度は2022年4月1日からFIP制度に見直されました)、太陽光パネル事業は参入障壁が低いこともあり、地方自治体の遊休地の活用手段として、多くのメガソーラーが日本各地で建設されました。一方で、太陽光発電、特にメガソーラーについては、大規模な太陽光発電事業の実施に伴う森林伐採による土砂流出や濁水の発生、景観への影響、動植物の生息・生育環境の悪化などの問題があります。しかし、今までは環境アセスメントの対象にはなっていませんでした。

太陽光パネルが廃棄物になった際の問題としては、その量の多さと、パネルの種類によっては、有害物質が含まれていることが挙げられます。まず量の問題ですが、東日本大震災後の政府の支援策に後押しされて太陽光発電の設備は2012 年からの5 年間で約6 倍に増加しています。太陽光パネルの寿命は、一般に25~30 年といわれています。2040 年の使用ずみパネルの排出量は約80 万㌧と、2015年の300倍超になる見込みです。

太陽光パネルの年間排出量が産業廃棄物の最終処分場の6%に及ぶという試算もあります。このように大量に発生する使用ずみ太陽光パネルは、電極やシリコンが何層も強固に接着されており、分離してリサイクルするのが困難なことから、現在は産業廃棄物として多くが埋め立て処分されています。

参照:環境省 太陽光発電設備を廃棄処理する際の留意点について(所有者の方へ)(PDF形式1.01MB)

有害物質については、適切な有害物質情報を廃棄物処理業者に伝えるシステムが無いため、そのまま破砕、埋め立て処分されている事例が多くあります。総務省によると、太陽光パネルに含まれる鉛やセレンなどの有害物質の情報を処分場に提供していない事業者は調査対象の8割に上ります。このため、環境省は2018年に「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)」を公表しています。
このように、埋め立て処分費用や有害物質対策費用など処理にコストがかかる太陽光パネルについては、不法投棄がされやすいことも懸念材料です。

使用済太陽光パネルのリユース、リサイクルについて(環境省 環境再生・資源循環局 総務課 リサイクル推進室)

EV、太陽光発電いずれも気候変動対策として重要なアイテムですが、それぞれ廃棄物処理、リサイクルの技術革新まで検討しなければ本当の意味での自然環境の改善とはなりません。これらの対策においては、いずれも事業者の責任をどのように設定するかが重要なポイントになりますので、使用する私たちもそうした点を意識する必要がありますね。
SDGs といってもなかなか身近な問題として、認識するのが難しいと思います。私たちが使用しているプラスチック、衣類、食品、家電、ガラス、紙など身近な製品がその用途を終えたとき、どのように処理されるのか、それがSDGs とどのようにかかわるのか、少しでも身近に感じていただけたなら幸いに思います。

Fuji

完成見学会 住まいセミナー 家づくり相談会
資料請求 お家のメンテナンス
WEB予約 見学会予約
無料送付 資料請求