ヒノキはシロアリに強い？

2020.06.16 | スタッフブログ

ヒノキはシロアリに強い、と言われてきましたが、本当にそうなのか。

ヒバ、スギ、マツと比較した実験結果が発表されているのでご紹介してみます。

実験装置は次の通り。

実験室は室温約25℃、湿度約32％を保つよう設定され、31日経過した時点で木材の質量を計測、実験開始時と比較して質量減少率を算出し、食害の程度を判定したところ、最も蟻害が大きかったのはマツ、二番目に大きかったのはヒノキ、一番蟻害が少なかったのはスギ、という意外な結果が出ています。

シロアリに強い、と言われていたヒノキですが、わずかい1か月の実験期間中に大量の蟻道が発生し、一部では食害も進むという予想外の結果が出ました。特に実験後半から急速に被害が進行しています。

予想外だったのはスギ。蟻道が形成されなかったうえ、食害を受けた形跡も見られなかった。外観を見た限りでほとんど無傷の状態で4樹種の中で最も高い耐蟻性を発揮していました。

従来のヒノキ信仰は覆された、とみるよりは、どんな樹種でも防蟻・防腐処理をするのが望ましいと考えるべきで、耐久性のレベルが高いとしてもノーメンテナンスで3世代もつ住宅などはなく、必ず適切な維持管理が必要になる、ということなのです。