青木建設
質問の多い工務店
最後にたどり着いた工務店は、
質問の多い工務店でした。
2020.01.20 | スタッフブログ
さて、今日の話題は住まいのライフサイクルとコスト。
普段はあまり考えたことが無いかもしれませんが、住まいにもライフサイクルがあります。
新築した時はピカピカで最新の設備を備えたマイホームもモノである以上、車や人間と同様、環境による違いはあれど時間の経過に伴う劣化は避けられません。従って適切なお手入れと部品交換などのメンテナンスが必要になってきます。適切なメンテナンスを行うか否かが、良い状態で住み続けられる期間や資産価値に大きく影響することになります。
建物のライフサイクルコスト(生涯費用)の考え方は、商業施設などの建物の費用を考える時に、重視されてきたものです。実際に商業施設ビルなどでは、これまでの様々な研究によれば、建物の生涯に必要な費用のうち、初期費用(イニシャルコスト)と言われる建築コストは、わずか20~30%以下と言われています。
ライフサイクルコスト(生涯費用)=イニシャルコスト(初期費用)+ランニングコスト(建物を使い続けるために必要な費用)
住む人のライフステージに合わせて住み替える(ライフスタイル移住)は欧米など大陸での起源が研究されています。島国である日本で特定の場所に定住する生活の概念は経済の状況や制度にもよりますが、よほどのことがない限り変わりそうにありません。そこで住みながらリフォーム(リノベーション)が流行となるのは納得がいく説明となります。
これが住まいのイニシャルコストとランニングコストの話に繋がります。どんな設計をして設備を導入すれば省エネができるのか?どんなメンテナンス計画を実行すれば無駄なコストを抑えられるのか?など中長期的なプランとして建物運営を検討できるのは、作る段階にほかならないからです。
これまで木造一戸建て住宅は一般に30年がワンサイクルと言われてきました。
(※現在は「50年~100年持たせよう」に変わりつつあります。)
これはただちに大規模なリフォームを行う必要があるというのではありませんし、住宅が寿命を迎えて住めなくなってしまうという意味でもありません。ある程度大規模なメンテナンスが必要になるタイミングがあり、あるいは設備や住宅そのものの性能や暮らし方の変化で、『メンテナンスして住むよりは建て替えてしまおう!』と考える所有者が多くなる統計や調査結果があるからです。
とはいってもいわゆるスクラップ&ビルドが健常であると錯覚させるような新築優位の政策や市場も変わろうとしてきています。近年では環境保護の観点も含め、より長期的に管理できて永く住める家を建てよう、という考え方に基づいた法や制度に変化してきました。
※建物の寿命とする根拠は法解釈や物理的仕様・管理方法・使用状況や立地条件によって異なります。(経済状況や法規制、技術革新など機能的な要求なども含めて)
次回に続く。Fuji