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2022.05.16 | スタッフブログ

どうする?ソーラー

住宅用太陽光発電の余剰電力は、固定価格での買取期間が10年間と定められていることから、2009年11月に開始した余剰電力買取制度の適用を受けた方については、2019年11月以降、10年間の買取期間を順次満了していくことになります。※)

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2022年4月からスタートした「FIP」制度(Feed-in Premium:フィードインプレミアム制度)は、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の発電事業者の支援の仕組みを大きく変える新制度です。電力の卸市場などで取引をした場合、売電価格に対して一定の補助額、つまり「プレミアム」が上乗せされるようになります。

※)参照先:どうする?ソーラー|資源エネルギー庁

再エネ特措法ではFIT制度(Feed-in Tariff:固定価格買取制度)を定めていましたが、より総合的に再エネ利用を進めるため、おもに以下の観点で改正が施されました。

1.FIP制度の創設
2.再エネのポテンシャルを生かす地域間連系線の整備(系統増強の費用の一部を賦課金方式によって全国で支える制度の創設)
3.再エネ発電設備の適切な廃棄(発電事業者に廃棄費用の外部積み立て義務を課す)
4.一定期間内に運転を開始していない案件の認定失効(認定失効期限を設定)

(1)売電収入の決まり方

FIP制度では、卸電力取引所(JPEX)での販売か小売り電気事業者などとの相対取引によって売電を行います。価格は市場が決めますが、プレミアムによりFITと同程度の収益が確保されるとしています。

(2)インバランスの取り扱い

需要と供給のバランスについてです。電気はためておくことができないため、「在庫」ということがありえません。需要と供給をつねに一致させ、バランスを保っておく必要があります。

電気の需要と供給の不一致を「インバランス」といいますが、FIT制度では「インバランス特例」によってこの需要と供給の調整が免責されていました。

一方、FIP制度は電力市場への統合がテーマですので、バランシングが求められます。まず事業者は発電量の「計画値」を作成し、実際上の発電をそれと一致させるようにします。計画値と実績値の差分=インバランスについては、ペナルティーとしてコストを支払うことになります。

(3)非化石価値取引

もう一つ重要な指標が、「非化石価値取引」が可能になったことです。非化石価値とは化石燃料を使わない発電方法で発電された電気の「CO2を排出しない価値」のことを指します。具体的には、再生可能エネルギーと原子力由来の電気が有している価値になります。

FIT制度においては、再エネ賦課金によって消費者が費用を負担しているので、非化石価値は消費者に分配されていると考えられます。したがって、FIT電源から非化石価値を取り出して取引することはできませんでした。一方、FIP制度では市場及び相対取引で売買されるので、非化石価値取引が可能になります。

FIT制度からFIP制度への移行は、再エネが将来的な日本の主力電源となるための自立に向けた段階に入ったと言えます。

FIP制度を機に、そうした小規模な再エネ電源、電気自動車や蓄電池などをIoTでまとめ、全体の需給管理や市場取引を担うアグリゲーション・ビジネスの普及、拡大も期待されています。

FIP制度の導入は、再エネが他の電源と共通の環境下で競争できるようになるための第一歩であり、新たなビジネスの創出と経済活性化のチャンスとしても注目されています。

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