青木建設
質問の多い工務店
最後にたどり着いた工務店は、
質問の多い工務店でした。
2020.03.23 | スタッフブログ
「鉄は燃えないので火に強く、木は燃えてしまうので火事のことを考えると鉄骨の方がいい!」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
はたしてそれは正解なんでしょうか。
総務省の発表では、建物火災の種別として住宅における火災が建物火災の53.4%で最多となっています。
これはあくまでも「古今東西」における火災の「用途別」の統計です。
参照:平成30年版 消防白書
今の時代に和風の建築や空間を作る際には、次々と更新される建築基準法や消防法に適合させることが高いハードルとなっています。
和風の設えと消防法が定める不燃、準不燃などの決まりはなじみにくく、年を追うごとにハードルが高まり、昨日可能だったことが今日はできないことが間々あって、そのつど対応を迫られているのが現状です。
話を元に戻しましょう。鉄の融点(溶ける温度)は1000℃以上です。
火事の時の温度はだいたい800℃。
「じゃぁ、やっぱり鉄は火に強い!」
と早とちりしてはいけません。
鉄は熱に弱いのです。
厳密にいうと、強度が急激に低下します。
同じように加熱し強度の変化を見た試験によると、
鉄は加熱10分で、初期強度の20%以下にまで落ちますが
木材は、80%程度の強度を保っています。
つまり、同じ条件で家を建てた場合、火災の時には、
木材の方が、家が倒壊せずに逃げる時間が長いということになり、
工夫次第で安全性は高いと判断できます。
実は木造では「燃えしろ設計」による断面形状の他、防火被覆の工法が研究・実証されています。
さて、なぜ木材は、急激に強度が落ちないのでしょうか。
それは、木を燃やしたことがある人ならわかると思います。
木材の比較的薄い部分は燃えるが、分厚い部分は焦げるだけで芯まで燃えることはありません。
細い木に火をつけるとすぐに燃えてしまいますが、焚き付け用の細木が足りないと暖炉の薪は燃え上がらないことを思い浮かべてください。
大きな木に火をつけると、燃え尽きるまで時間がかかります。
木に火をつけるとまず表面が燃えて、黒くなっていきます。
これは炭化といって、内部が燃える際の酸素の供給を小さくするため、
一気に燃えることはなく、1分で約6mmずつじわじわと燃えていくからです。
しっかりとした太さをもった木材を使用し、工夫して建てた家は、
鉄よりも強いことが分かって頂けましたでしょうか?
Fuji