ライフサイクルで住まいのコストを考える~その2 | 株式会社 青木建設|徳島の注文住宅からリノベーションまで

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2020.01.27 | スタッフブログ

ライフサイクルで住まいのコストを考える~その2

さて、今回の話題は前回に引き続き住まいのライフサイクルコスト。
住まいのライフサイクルは住む人の使い方(維持保全や管理の仕方)に依存しています。
例えを車に変えて説明すると、車なら新車→こなれて調子が良い状態→ポツポツ部品交換が必要になる→修理(車検や税金、燃料)に多額の費用が掛かるようになる→再生利用もしくはリサイクル(スクラップ)材といった具合に車なりのライフサイクルがあるのです。所有者はこのライフサイクルに合わせてメンテナンスを行い、メンテナンスコストの費用対効果や新技術、新デザインを搭載した新たな製品の魅力を勘案しつつ、車の寿命を判断しています。第二の人生(車生)がある間に手放して乗り換えるか、寿命が来るまで乗り潰すか、はたまたどの時点で寿命と考えるか・・・。お心当たりがおありですね。ライフサイクルコストの主な観点は「更新性」「保全性」「耐久性」「省エネルギー」です。維持していく上の要点は、物理的に耐えること、機能的な要求に耐えること及び維持費に起因する経済的な要求(ランニングコスト)に耐えることになります。
メンテナンスが必要なタイミングが「~年前後」と言われるようになったのは、前回に話題とした「生活の変化への対応のため」といった住む人の転機的なものが多くあったこと、減価償却資産の考え方や税務上の法定耐用年数等に乗じた様々な社会的・経済的背景が影響していると思います。現在は技術革新による長寿命なモノがあまりうたい文句にならず、魅力的な製品づくりが掲げているのは先進技術=環境負荷の少ないモノといった概念がメインにあります。

では具体的なメンテナンスの項目やタイミングの目安はというと、一般的な木造住宅(※)では5年で点検。10年~15年で外部塗装やコーキングの打ち直し、害虫防除処理、クロスの張替、給湯器など一部設備機器交換などのメンテナンスが必要になってきます(防蟻処理は5年毎が理想)。また20~30年で屋根の葺き替え、外壁の補修または張替、外付けバルコニー、電動シャッターなどの交換、キッチン、ユニットバス、洗面化粧台など大型設備機器の交換が必要になってきます。
現在家電製品でも部品の保持が保障されているのは7~10年です。住まいの設備機器も10年以上経過して壊れてしまうと、交換せざるを得ない可能性が高いと考えておいた方が良いでしょう。こうして適切なメンテナンスを続けていれば、30年と限らず住宅としての機能を維持してゆくことは可能です。

住む期間が長くなれば長くなるほど、将来の予測は益々困難となり、物理的にも、機能的にも、経済的にもその期間の変化や要求に耐えることが難しくなります。目指すものは暮らし方にマッチした生活の質であって、たとえ質の高い新築であっても重要なのは完成後の適切なメンテナンスや生活の変化に順応した更新だといえます。
将来安心できるランニングコストの予測や維持管理をサポートするエコシステムはまだまだ確立には至っていないのが現状です。建築をとりまく職能の方々の安定的な支援策と人手不足の解消など、一筋縄ではありません。
大切なことは、家づくりは建てて終わりではなく定期的な点検や設備更新などが重要で、居心地の良さを保つには家族構成や暮らし方の変化に応じて間取りを変えやすいことも考慮しておくことが望ましいといえます。

※使用状況や立地条件、建物の仕様、周辺環境によって大きく異なる場合があります。また長期優良住宅の認定を受けたあとも、住宅の維持保全のためのコストや手間はかかります。

Fuji

 

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