青木建設
質問の多い工務店
最後にたどり着いた工務店は、
質問の多い工務店でした。
2022.08.29 | スタッフブログ
昨今の住宅における『高性能化・長寿命化』の主な理由は、脱炭素化に向けた段階的な法改正による要請があり、持続的・段階的なアクションにつながっています。
少し経緯を説明すると、日本の住宅は欧米の先進国の一般的な住宅に比べ外皮性能が低く(※)、建て替えるまでの平均年数の短さとリサイクル率の低さも手伝って、1次消費エネルギーが多いとされています。そこで、長寿命で高性能な(長期間品質を維持管理できる・外皮性能の良い)住宅をつくることで1次消費エネルギーを改善し、脱炭素化へ貢献しようといったねらいがあります。
(※)日本の住宅は「気候風土に合わせて家づくりをおこなう」といった長年の慣習があります。風通しを良くして木材を適度に乾燥させて長持ちさせるといった造りは、日本人の住まい方の変化や気候の変動、社会環境の変化に順応しきれない状況になってしまっています。
すこし見方を変えて解釈すると、「築年数が多い住宅(いわゆる築古)であっても、維持保全状況が良好で長年の社会環境の変化や自然災害に適応している(維持管理・更新できている)物件は、建て替える必要性が少ないため環境負荷も少なく、社会的価値が高い。」といった、将来の不動産価値の再定義(固定資産税などの評価基準の緩和や見直し)を示唆しているように思えます。
いってみれば、「モノ」としての価値に「時代を超える知恵や工夫」といった知的な財産を詰め込んだ『建てもの』の具体的な価値を見直す未来がすぐそこまで来ている、ということになるのかもしれませんね。
次世代の住まい・生活をイメージしてみると、不動産だけでなく長期の『気候変動適応ビジネス』や社会資源の活用(ホスピタリティサービスなど)を含めた価値が本来の価値になるかもしれません。
ひと昔流行した「プライスレスな○○」は、優れた資質やさまざまな知恵の集合体があってこそ。
「ホンモノ」の価値・次世代への継承をどう考え、どのような価値観を見出せるか、という話を2回にわたり読んでいただき、感謝いたします。
先進の「建てもの」づくりの機会があればぜひ、『passive House』をお勧めいたします。
Fuji